認知機能改善にチョコレート

先日、チョコレートに含まれているカカオ・ポリフェノールが脳の認知機能の改善に役立つ、との実証試験結果が公表されました(産経新聞6月24日、他).実は、昨年11月には、血圧降下やHDLコレステロール値上昇(ここにHDL= high density lipoprotein、通称、善玉コレステロール) などの効果が実証されていました.その作用機序は次の通り.まず、小腸で吸収されたカカオ・ポリフェノールが血管内部に入ります.つぎに.活性酸素などで傷つき炎症を起こしている部分を修復して血管を拡張します.その結果、血流が良くなり血管疾患が予防できるというわけです.今回の発表で、この血流改善が脳の認知機能の改善にも一役かっていること、つまり、チョコレートの摂取が脳機能を高めて認知症の予防につながる、というわけです.

 

その仕組みの説明に入る前に、脳由来神経栄養因子(BDNF = Brain-Derived Neurotrophic Factor)という液性たんぱく質のことを説明する必要があります.記憶や学習能力をつかさどる「海馬」に多く存在し、脳神経細胞の発生、成長、神経伝達物質の合成・促進などに関与しています.要するに脳機能の発現に直接関わる根源的なたんぱく質のひとつ、といえるでしょう.このたんぱく質(以下BDNFという)は、体を動かしたり、頭をつかったりすることで増えることがこれまで知られていました.したがって、加齢によって体や脳を徐々に使わなくなっていくとBDNFは減少し、ひいては認知症を発症する原因になるということです.

 

さて、今回チョコレートを摂取することでもBDNFが増えることが実証されたわけですが、脳内血流量が増えるとBDNFが増加するという以前からの研究成果を併せ考えると、なにか全体の仕組みが見えてきますね.まず、体や頭を適度に使うことで血流量が増え、脳を含めた血液循環系が活性化します.そうするとBDNFが増え「心身ともに活力にあふれる」正の循環が生まれます.要するに、チョコレートの摂取は、カカオ・ポリフェノールの吸収ー>血管内での抗酸化作用ー>血流量増加という過程をへて、認知障害や脳損傷障害の予防や改善につながる、というわけです.

 

ところで、人間は疲れた時など、甘いものを欲求します.これは砂糖に含まれるブドウ糖を脳がほしがっているからですね.言うまでもありませんが、ブドウ糖は脳の唯一の栄養源だからですね.欲求が満たされると、満足感・幸福感がわいてきます.カカオ・ポリフェノールといい、ブドウ糖といい、チョコレートはわれわれの身体とこころの力強いサポーターですね.欧米人に比べて日本人はチョコレートの摂取量は少ないといわれていますね.これからは、おやつというより毎日の食習慣に積極的に取り入れてみませんか.

 

ある覚醒体験!

白取春彦さんのケアノート「突然苦しさ消えた ー 父の介護やるしかない」(読売新聞)(リンクはここ)「事実を認める、ありのまま受け入れる」、というある日突然の覚醒体験が記されています。

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